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トランプ氏、航空管制の民営化計画を発表 「2.7兆円の経済効果」

米ホワイトハウスで航空管制業務の民営化計画を発表したドナルド・トランプ大統領(2017年6月5日撮影)。(c)AFP/NICHOLAS KAMM〔AFPBB News

 もしアメリカ合衆国大統領トランプ氏が、反グローバリズム、孤立主義といった政策を推し進めれば、世界は分断され、経済危機に陥るでしょう。世界はこれまで多くの経済危機を乗り越えてきましたが、現在、予見されている危機の要因は「政治」です。今、世界でいくつもの大きな変革が起き、経済を不安定にする要因が生まれています。この連載では、世界と日本にどんなリスクがあるのかを大前氏が解説します。

アメリカはすでに「ファースト」

 あくまで「仮」の話ですが、もしもトランプ氏から「アメリカファーストをどうしてもやりたい、おまえがコンサルティングしてくれ」などと頼まれたとしましょう。

 その場合、私がまず彼に伝えたいのは、「すでにアメリカはファーストじゃないか」ということです。

 企業の時価総額世界トップ1000をランキングすると、330社はアメリカの企業であり、1位から12位までをアメリカ企業が独占しています。この20年間でアメリカは強くなり、世界中の国から羨望されています。

 アマゾンやグーグル、アップルばかりではなく、ゼネラルエレクトリック(GE)やジョンソン・エンド・ジョンソン、ティラーソン国務長官がいたエクソンモービルなど、伝統ある企業も世界の上位に君臨しています。

 日米貿易戦争をやっていた頃のアメリカはたしかに困っていました。多くの業界が喘ぎ、家電メーカーは次々と倒産しました。しかし今は違います。

 スターバックスからネットフリックスに至るまで、世界的に強いのはアメリカの企業ばかりです。