トランプ氏、FBI長官「解任するつもりだった」捜査対象か3回確認

ドナルド・トランプ大統領(2017年5月10日撮影)〔AFPBB News

 愚かさとは何か、考えて見ましょう。

 例えば、家を新築して災害保険に加入したとしましょう。そして1年経った。特段何事もなく、翌年の家計を家族会議で相談しているとします。

 「いろいろ出物もあったから、がま口を引き締めて考えたい。ついては、火事とかは火の元を気をつけたりすれば起きないダロウから、保険加入はやめることにしよう。意味がない」

 そこで無保険の状態になったと思ったら、突然地震が襲ってきて、せっかくの新居がガタガタに。もちろん保険はなく・・・。

 実は、こんな状態を引き起こそうとしているのが、2018年米国予算教書(Budget Message of the President 2017.10-2018.9)で、5月末にその概要が発表されてから様々な波紋を投げかけているのは周知のとおりでしょう。

 一言で言えば、末期的な企業経営における赤字削減のような性格が強い。

 10年で3兆6000億ドルの歳出削減に取り組み、貧困層保護や開発援助、環境対策、基礎科学研究などの予算が大幅に削られる一方、軍事費などは大幅増額を提示しています。

 例えばODA(政府開発援助)。国際開発庁を含む国務省予算は28%の大幅減、約375億ドルに対して、国防予算は約10%、540億ドル増額して6030億ドル、日本円にして約68兆円規模。

 国防、治安維持、交通、退役軍人対策費などが各々10%程度増額される以外は、軒並み大幅の減額が提案されています。

 具体的に項目を列挙してみると、教育研究開発(Education)、通商産業(Commerce)、労働対策(Labor)、都市住環境(Uran Development)、ヘルスケア(Health and Human Service)、農業(Agriculture)、環境(Environment Protection)・・・といった項目は軒並み10~30%近く削減。

 当然ながら民主・共和両党から、大きな反発が出ており、個別の項目については議会をそのとおりに通過するとは限りませんが、大枠、このような方向性にあることは間違いないでしょう。

 ここで3歩下がって改めて考えて見たいのです。この「損切り予算案」、トランプ“恐書”は何がいけないのか?