北朝鮮、金正恩氏の暗殺企んだとしてCIAを非難 スパイの存在に言及

北朝鮮・平壌で行われた軍事パレードの最中、人民大学習堂のバルコニーから手を振る金正恩氏(2017年4月15日撮影)〔AFPBB News

 最近の頻繁な核実験やミサイル試射によって、北朝鮮の核ミサイルが、世界とりわけ日米韓の安全保障上の緊急課題になってきた。

 北朝鮮が既に大量に保有する「ノドン」「テポドン1」「ムスダン」「フロッグ」ミサイルによって日本は実質的に人質状態下にあると言っていい。

 安倍晋三首相は「北の核ミサイルの脅威は新たな段階には入った」とし、また化学兵器の脅威(保有量世界第3位)を指摘している。これを受けて与党自民党は対策検討に入り、その安全保障調査会は早急な敵基地攻撃手段の整備を提案した。

 米国もまもなく米本土への核ミサイルの直接的脅威の現実化に直面し真剣な対応を迫られることは間違いない。

歴代大統領が失敗してきた北朝鮮政策

 ビル・クリントン政権の武力行使断念、ジョージ・W・ブッシュ政権の6カ国協議、バラク・オバマ政権の戦略的忍耐の失敗、またジミー・カーター元大統領と金日成主席間の核開発凍結合意も時間稼ぎに過ぎなかった現実に鑑み、ドナルド・トランプ大統領は実力行使もやむなしの姿勢で臨んでいる。

 話し合い解決を基軸としながらも多大の損害不可避の危険を伴う武力の使用(斬首作戦を含む)もその選択肢から排除いしないことを明らかにし、中国に働きかけ、またアフガニスタンでの大貫徹爆弾投下や原子力空母群の運用やB2のグアム待機で北朝鮮を牽制している。

 これに対し北朝鮮は、戦略的自由度を持つロシアの支援を得てか、核戦争には核攻撃で、全面戦争には全面戦争で対抗すると強硬声明を出し、危機は増すばかりだ。

 我が国政府の敵基地攻撃の基本的論理は遠く(昭和32年)鳩山一郎政権時代から「座して死を待つべしというのが憲法の趣旨ではない」とし、他に方法がない場合は敵基地(ミサイル基地など)の攻撃も許されるとの立場で一貫している。

 しかし敵基地(ミサイルなど)の態様は著しく変化しており、当時のような認識では対応し得ないばかりか、現実には自衛隊はほとんど何の対抗手段も持ち合わせていないのが実情である。

 これら北の核ミサイル防衛に関する国内各界の主張は多様だが、左派のみならず善意の中立的立場の政治家、学者、マスコミや国際安全保障の現実を深く配慮しない進歩的文化人は、敵基地攻撃は全面戦争を誘発する恐れが強く、日本国民のみならず、周辺諸国に致命的で悲惨な災禍をもたらすため決して選択してはならないと主張する。