対ロ協議疑惑、トランプ氏が1月に問題把握 フリン氏は訴追も

米新政権発足前のドナルド・トランプ氏とマイケル・フリン氏。フロリダ州パームビーチで(2016年12月21日撮影)。(c)AFP/JIM WATSON〔AFPBB News

 トランプ政権のマイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、就任前にロシア政府と接触していたとの疑惑で辞任に追い込まれた。

 日本では半ば驚きをもって報じられているが、トランプ政権の派閥構造から簡単に予測できたことである(筆者は事前に辞任を予測し、ツイッターなどで発信していた)。

 また、前回の本コラム(「トランプは入国禁止令の裏で『宣戦布告』していた」)で、筆者はトランプ政権がシリアへの地上戦力の投入を目論んでいることを指摘したが、最近になって内外のメディアがこれを証明する報道を行っている。実はこれもトランプ政権の派閥構造上、明白なことなのである。

 今回は、トランプ政権の派閥構造を説明し、それがどのようにフリン辞任や後任人事に影響するのか、さらに、そこからどのような顛末をたどる可能性があるのかを解説したい。

トランプ政権を支配する“過激”な共和党保守派

 トランプ政権を構成する各勢力を整理すると以下の通りである。

[1] 共和党保守派の3つの勢力

 (1)過激な「共和党保守派」(マーサー財団系)
 (2)穏健で伝統的な「共和党保守派」
 (3)リバタリアングループ

[2] トランプ一派

 簡単に説明するとトランプ政権は共和党保守派の3つの派閥から形成されている。トランプ一派は少数派でしかない。