海外メディアの報道によると、中国当局は、スマートフォンなどのモバイル端末で利用するアプリについて、監視を強化するもようだ。
これにより今後、当局が不適切と判断するアプリは、容赦なく排除されることになりそうだと米欧のメディアは伝えている。
「万里のファイアウォール」を拡大
報道によると、中国当局はこのほど、こうしたアプリの配信業者に登録を義務づける規則を設けた。
同国では昨年8月に、中国国家互聯網信息弁公室(Cyberspace Administration of China:CAC)がこの規則を発表していたが、今年になって同政府機関は、アプリ配信業者に通達を出した。そして1月16日に、この新規制がさっそく施行されたのだという。
これは同国で行っているインターネットアクセス制限(いわゆる万里のファイアウォール)をモバイルアプリに広げるもので、当局は現在抱える問題の解決に向けて一歩踏み出したことになるという。
米ウォールストリート・ジャーナルによると、中国ではこれまでウェブのコンテンツに対する規制を強化し、ポルノコンテンツのほか、テロリズムなどの違法活動を助長するもの、当局が反政府発言とする好ましくない噂などのコンテンツを禁止してきた。
アプリ配信業者に監視の責任を
しかしモバイルアプリは、その内部で画像やメッセージなどがやりとりされている。その機能も多種多様であるため、ウェブサイトのように一元的に監視するのが困難。
中国では先頃、米アップルが同国で提供しているアプリ配信サービスで、米ニューヨーク・タイムズのニュースアプリが入手できなくなった。当局の要請に応じアップルが同アプリをサービスから削除したからだ。