「ad:tech Tokyo(アドテック東京)」(10月28~29日開催)レポート最終回の本稿では、セッションスピーカーとして登壇したコムスコア・ジャパン代表取締役の西谷大蔵氏と、米国本社コムスコアの国際事業担当副社長を務めるウィル・ホッジマン氏に、日本のデジタルマーケティング市場の展望についてインタビューした内容をお届けする。

 デジタルマーケティングにおいては、効率的で精度の高いデータ解析が求められ、インターネット視聴率は不可欠なデータの1つとなっている。コムスコアは、世界41カ国で国別のオンライン視聴計測を手がけており、2007年に日本市場に参入した。

デジタルコンテンツの爆発的増加、それ自体がチャンス

 ━━ 日本のデジタルマーケティング市場の可能性と難しさは?

米コムスコア国際事業担当副社長ウィル・ホッジマン氏/前田せいめい撮影米コムスコアの国際事業担当副社長ウィル・ホッジマン氏
(撮影:前田せいめい、以下同)

 ホッジマン 今後デジタルコンテンツは爆発的に拡大します。それはパソコンにおいてもモバイルにおいても同様に言えることです。アプリケーションやデバイス、プラットフォームなど、あらゆる面で可能性は大きいと考えています。

 例えば、携帯電話で消費されるデータ量は、2G(第2世代)と3G(第3世代)では10倍の差があります。日本では近い将来4G(第4世代)が導入されますが、そうなるとデータ消費量は100倍になるとみられます。それそのものがビジネスチャンスだと思っています。

 難しさを挙げるならば、1つには、プラットフォームの多様化。あらゆるプラットフォームにわたる計測が求められる点です。

 また、広告主や広告会社は新しいデジタル環境にキャッチアップしていかなければなりません。ウェブコンテンツ、アプリケーション、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)など、理解しなければならないことの範囲がいっそう拡大していきます。