デジタルマーケティングのカンファレンス「ad:tech Tokyo(アドテック東京)」で10月29日に行われた「モバイル手法の最適化~多様化したモバイル機器を活かすマーケティング戦略とは~」と題するセッションでは、インテグレート代表取締役CEOの藤田康人氏がモデレーターを務め、多様化するモバイル市場の現状と今後について議論した。

 パネリストとして、米フロスト&サリバン(Frost & Sullivan)のICTプラクティス/アジアパシフィック担当インダストリーマネージャー、マーク・アインシュタイン氏、コムスコア・ジャパン代表取締役の西谷大蔵氏のほか、アドビシステムズのマーケティング本部教育市場部部長/ディベロッパーマーケティングの西山正一氏とオプト海外事業本部本部長の寺田眞治氏が登壇した。

2011年-2012年には日本でもスマートフォンがメインストリームへ

インテグレート代表取締役CEOの藤田康人氏

 まず藤田氏が日本のモバイルデバイス市場の現状について説明した。日本におけるスマートフォンの契約台数は今年400万台を超える見込みだが、市場全体への普及の分岐点となる早期導入者の普及率16%、いわゆるキャズムには達していない。2011年-2012年にはこれを超えると見られている。

 スマートフォンといえばまず米アップルの「アイフォーン(iPhone)」と米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」、あるいはカナダRIM(リサーチ・イン・モーション)の「ブラックベリー(BlackBerry)」が話題に上るが、世界的に見るとフィンランド・ノキアの「シンビアン(Symbian)」がプラットフォームベースで圧倒的なシェアを占めている。

 2010年第1四半期におけるメーカー別出荷台数では、ノキアの世界シェアは39.3%で、RIM(19.4%)とアップル(16.1%)を大きく引き離している。アンドロイド端末を製造する台湾HTCと米モトローラの合計は9%だった。今アイフォーンやアンドロイドなどが急伸していると言われるが、台数ベースでは依然としてノキアが強いという現状が続いている。