中国・杭州でG20首脳会議が開催されているさなかの9月5日、北朝鮮は「ノドン」と見られる中距離弾道ミサイル3発を日本海に向けて発射し、日本の排他的経済水域に着弾させた。
そして4日後、建国68周年にあたる9月9日に北朝鮮は5回目となる核実験を実施した。
米中が互いの“無策”を批判
この北朝鮮による核実験が、米中の「責任のなすりつけ合い」という不毛なやり取りをひきおこした。
9月10日、ノルウェーのオスロを訪問中のアシュトン・カーター米国防長官は記者会見で、「中国について特に指摘したい。これは中国の責任だ」と述べた。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」(日本語版)は、カーター氏が「中国はこうした展開への重要な責任の一端を担っており、状況を転換させる重要な責任を負う。中国は地理的条件や歴史の裏打ちと影響力を、これまでのような方向ではなく、朝鮮半島の非核化を進めるために利用することが重要だ」と述べたと伝えている。いわゆる「中国責任論」である。