報道の自由、世界で低下 日本72位に後退 「国境なき記者団」報告

国連人権理事会の「特別報告者」に「日本の報道の危機」を吹き込んだのは? トルコ・イスタンブールで記者の収監に抗議してデモ行進するジャーナリストたち(2016年1月10日撮影、資料写真)。(c)AFP/OZAN KOSE〔AFPBB News

 日本の報道機関の状況を調査するため来日した、国連人権理事会の「特別報告者」デービッド・ケイ氏は4月19日、外国特派員協会(FCCJ)で記者会見し、「日本の報道の独立性が重大な脅威に直面している」と述べて、安倍政権を批判した。

 国連特別報告者といえば、2015年10月に「日本の女子学生の13%が援助交際をしている」と発言して騒ぎを起こした、マオド・ド・ブーア=ブキッキオ氏を覚えている人もいるだろう。彼らは特別報告者といっても国連職員ではなく、人権活動家にすぎない。日本語も分からない彼らに歪んだ情報を吹き込んでいるのは、日本の活動家だ。

「安倍政権が言論を弾圧している」という幻想

 国連人権理事会というと、日本人は各国の代表の集まる国際機関だと思うだろうが、参加している人の多くはNGO(非政府組織)の左翼活動家である。国連ではアメリカも日本も1票、アフリカの小国も1票なので大半は途上国で、今や国連は「途上国クラブ」だ。

 そこで正式の機関決定が行なわれるわけでもなく、「特別報告者」は報告するだけで、その内容に何の法的拘束力もない。日本政府も無視していたが、慰安婦問題で国連の報告書が悪用されてから、外務省が出席して反論するようになった。

 今回もケイ氏の中立性が疑わしいため、外務省は昨年12月に来日を拒否したが、先方が重ねて要請してきたため、認めた。ただし彼が求めていた高市早苗総務相との会見は、国会日程を理由に拒否した。