米国の市場調査会社IDCがこのほどまとめたパソコン市場に関するリポートによると、今年10~12月期の世界パソコン出荷台数は1年前に比べ10.0%減少する見通し。
これにより今年の年間出荷台数は2億7670万台となり、昨年実績から10.3%減少すると同社は予測している。
PC、日本は2桁減、欧米も減少へ
同社は今夏に公表したリポートで今年の年間出荷台数が昨年比で8.7%減少すると予測していたが、今回これを下方修正した。世界のパソコン出荷台数は来年も減少し、5年連続で前年実績を下回ると同社は見ている。
今後数年におけるパソコン市場の動向を地域別に見ると、日本と中東アフリカ地域(MEA)は2桁の減少となり、中東欧(CEE)と中南米は1桁台後半の減少。
一方、米国、西欧、アジア太平洋地域(日本を除く)はわずかな減少にとどまり、カナダは若干増加すると同社が予測している。
そして、こうした短期的な停滞のあと市場は安定し、その後は持ち直しが見られるという。法人市場における「Windows 10」の導入が加速し、これに消費者向けパソコンの買い替えが伴えば、その後数年間需要は回復するとしている。
出荷台数は来年末までには安定し、その後数年は若干ながら増加に転じるという。
ただし、IDCがまとめた今後の市場予測を詳しく見ると、2015年から2019年までの出荷台数の年平均成長率は、ノートパソコンが1.0%、デスクトップパソコンがマイナス2.5%。ノートパソコンとデスクトップパソコンを合わせた全体の出荷台数はマイナス0.4になるとの予測で、世界のパソコン市場は今後も引き続き低成長で推移すると見られている。
スマホの伸び、ついに1桁に低下か
一方、同社がまとめた世界のスマートフォン市場に関するリポートによると、今年の年間出荷台数は14億3000万台となり、昨年実績からの伸び率は9.8%にとどまる見通しだ。
同社は先のリポートで今年の年出荷台数の昨年比伸び率が10.4%になると予測していたが、こちらも下方修正した。IDCが統計を取り始めて以来、年間出荷台数の伸び率が1桁になるのは初めてだという。