中国経済の失速によって世界経済にマイナスの影響が及ぶことが懸念されていたが、今のところ、そのような状況にはなっていない。新興国の低迷とは対照的に先進主要国の経済はまずまずのペースで推移している。
だが、そこには唯一の例外がある。それが日本である。
日本だけが中国景気失速の影響を受け、GDP(国内総生産)は2四半期連続のマイナスとなった。12月8日に発表されるGDP改定値では上方修正となる可能性が高いが、基本的な状況は同じである。
日本経済は中国経済と一蓮托生の関係になっているわけだが、地理的に近いことだけが原因とは断定できない。産業構造の転換を先送りしてきたツケが顕在化している可能性が考えられるからだ。日本はすでに成熟国家のフェーズに入っており、本来であれば、中国など新興国の経済からは切り離されているはずだが、現実にはそうなっていない。
中国ショックの影響で日本のGDPは2四半期連続マイナス
日本の7~9月期の実質GDP成長率は年率換算でマイナス0.8%と、2四半期連続のマイナスとなった。この結果については、多くの専門家が事前に予想していた。中国ショックの影響により、過去3カ月の鉱工業生産指数が大幅に低下していたからである。