ビジネスで交渉力が極めて重要であるのは言うまでもないが、日本人はグローバルビジネスでの交渉が苦手とよく言われる。M&Aなどでも高値掴みで損をしているなどという話も聞く。
なぜ日本人は交渉下手なのか? 海外との交渉力を高めるために、どこをどのように直す必要があるのか?
この問題を考えていくと、欧米人との交渉に臨む姿勢の違いや、日本人が身につけるべき技術としての交渉術が見えてくる。
日本人は舐められている?
「日本人は海外との交渉が苦手で損をしている」という話を多くのビジネスパーソンから聞く。M&Aなどで事業部門や企業を高く売りつけられたり、ジョイントベンチャーで手間やコストのかかる損な役回りを押しつけられたりといったことだ。
『日本人はなぜ足元を見られるのか?』(杉江弘著 アスキー・メディアワークス刊)によると、日本の交渉の根底にあるのは、「こちらから譲るからそちらも譲れ」という相互歩み寄りの姿勢であり、これが外国人からすると「お人好し」に見え、足元を見られてしまうという。