経済誌記者、中国株式市場混乱させたと「自供」 新華社

AFPBB News〕中国・上海の証券会社で、株価を見て頭を抱える男性(2015年8月26日撮影)

 先日、中国で保険金を運用する会社に勤める友人に東京で会った。その友人のボヤキからは、現在、中国金融界が置かれている状況をうかがい知ることができる。

中国株暴落の裏側

──中国株が暴落したね。大丈夫かい?

「会社の金は、そんなに多く株式市場に突っ込んでいなかったから大丈夫。だけど、個人的には儲けそこなったよ」

──個人でも株を買っていたのかい?

「そんなに大きな金額ではないが、自分でも買っていたのさ。不動産市況が低迷し始めたから、不動産に流れ込んでいたお金が株に流れると読んだ。昨年の11月、上海株式指数はまだ2000の大台。そこで仕込んだ。ここまでは大成功。

 その後、夏に5500にまで上昇した時に売ればよかったのだが、売るチャンスを逸してしまった。もう少し、上がると思っていたよ。売り損ねてしまったから今でも持っているよ。まあ、損はしていないけど、儲けるチャンスを逸したのは悔しいね」

──プロでも、相場を見誤るということだね。

「中国の機関投資会社の能力はそんなに高くない」

──どうして?

「運用を始めてまだ日が浅い。経験がないのさ。そもそも、庶民が保険に入り始めたのは最近のこと。アメリカや日本では保険が発達しているだろうけど、中国ではこれまで庶民が保険に入ることはなかった。

 お金が余れば、保険として“金(GOLD)”を買っていたんだ。国が乱れた時代が長かったからね。内戦の時代は“金”を壁に塗り込んで隠したりしていたんだよ」