安倍内閣は、新しい安全保障法制を整えるための2本の関連法案(注)を今国会に提出し、その成立をはかることになった(注:多国軍への後方支援を可能にする「国際平和支援法案」と、自衛隊法やPKO協力法など現行法10本をまとめて改正する「平和安全法制整備法案」)。
中国の軍備増強や海洋進出、北朝鮮の核・ミサイル開発など、日本の安全保障をめぐる環境が悪化しているなかで、集団的自衛権の行使を容認することで日米同盟を強化し、中国や北朝鮮に対する抑止力を高めるのが目的だという。
これは、尖閣諸島を含め、日本の防衛に米国が全力を尽くす代わりに、日本も米国を主体とする地球規模での軍事行動に最大限の協力を惜しまない、という米国との「取引」なのだろうか。
確かに、尖閣諸島をめぐる日本と中国との緊張は、小規模な軍事的衝突がいつ起きてもおかしくない状態だという危機感は、日本の国民の多くが感じているものだろう。