今回は外資企業の「パートナリング・戦略投資」の要諦について、出資する側・出資を受ける側、それぞれにとってのポイントを絞ってまとめてみたいと思います。
レンタカー、アパレル・消費財、オンラインゲーム、ネットサービス・・・。いくつかの代表的業界の事例分析を織り交ぜながら、核心に迫って参ります。
「2つの視点」で考える外資企業進出のあり方
DI 板谷:前回の「起死回生のビジネスモデル大転換に成功したCEOの戦略」では、今や中国最大のレンタカー企業となったZucheが、
●創業当初のビジネスモデル(会員制AAAモデル*1)のマネタイズに苦しむ中
●市場の前提条件の変革期にあったレンタカー業界への参入に大きく舵を切り
●既存アセット(会員数)と、外部資本(Legendグループからの投資+ローン)をレバレッジし
●群雄割拠の市場において圧倒的首位に成長、香港上場というターンアラウンドを達成
というエピソードを伺いました。
*1 AAAモデル:主に自動車のレスキュー・修理・保険といった、付帯メンテナンスサービスのこと
また同時に、外資大手で自前参入の道を模索し続けてきた赫兹(Hertz)が、Zucheのポテンシャルに注目、出資と引き換えに自社ロゴの使用を取り付け、キャピタルゲインと、ブランドの両方を獲得した、という動きも見て参りました。
それ以外の多くの内資・外資大手が自前展開で伸び悩んでいたことを考えると、外部資金を入れられる側(Zuche)、入れる側(Hertz)、それぞれの動きにも学びがありそうです。
LC 朴:今回のテーマとしては、レンタカー業界以外も含め、外資企業としての進出のあり方・スキームについてフォーカスをしていきましょう。