本記事は1月8日付フィスコ企業調査レポート(キャリアリンク)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 
佐藤 譲
本資料のご利用については、必ず記事末の重要事項(ディスクレーマー)をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

主力のBPO事業が好調、人員体制の強化で更なる拡大へ

 キャリアリンク<6070> は、BPO(業務外部委託)関連事業を主軸とした総合人材サービス会社。官公庁向け案件での高い実績を背景に、民間企業向けBPO案件の受注拡大を強化している。

 2015年2月期の第3四半期累計(2014年3-11月)の業績は、売上高が前年同期比14.0%増の10,327百万円、経常利益が同139.2%増の674百万円と大幅増収増益となった。主力のBPO関連事業の売上高が民間、官公庁向けともに好調に推移したことに加え、BPO案件での業務効率向上が大幅増益につながった。

 2015年2月期は、売上高が前期比17.7%増の13,654百万円、営業利益が同145.5%増の729百万円と9月時点の計画を据え置いているが、利益ベースでの進捗率は9割を超えており、また第4四半期も市場環境も良好なことから、計画を上回る可能性は高いと弊社ではみている。

 2016年2月期以降も業績は高成長が続く見通し。主力のBPO案件で民間向けの受注拡大が続くほか、「マイナンバー制度」導入に向けた関連業務が2015年夏以降、官公庁や地方公共団体向けにスタートするためだ。同社は年金関連業務での高い運用実績があることから、関連業務を受注する可能性は高いと弊社ではみている。これらBPO関連の需要拡大に対応するため、同社では前倒しで社員の増員を進めている。当第4四半期中に中途採用で30~50名程度の増員を予定しているほか、2015年春に40名、2016年春には100名の新卒採用を予定している。人員体制の強化を図ることでBPO案件の受注拡大を進め、2017年2月期に売上高20,000百万円、経常利益率6%の達成を目指していく考えだ。

 株主還元策として同社では、安定配当の継続と株主優待制度を導入している。2015年2月期の配当金は創立20年の記念配当2円を付加し、前期比2円増配の16円を予定している。また、株主優待としては、8月末の株主に対して一律1,000円相当のクオカードを贈呈(300株以上保有の株主に対しては2,000円相当)しているほか、今後は長期保有の安定株主数を増やすための優待策を導入する可能性がある。

Check Point

●高いBPO需要に応える業務効率と品質向上の提案・実現力に強み
●通期の利益計画が順調に進捗、上方修正の可能性に期待
●マイナンバー関連の業務拡大で中期目標達成をより確かなものに

会社概要

BPO関連とCRM関連を主力とする総合人材サービスを展開

(1)事業概要

 同社は1996年に創業した総合人材サービス会社で、現在は「BPO関連事業」「CRM関連事業」「一般事務事業」「製造技術系事業」と4つの事業を展開している。

 各事業別の売上構成比(2015年2月期の第3四半期累計)をみると、BPO関連事業が59.7%、CRM関連事業が22.5%と両事業で全体の80%以上を占めている。各事業内容については以下の通り。