本記事は1月6日付フィスコ企業調査レポート(ビジネス・ブレークスルー)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 佐藤 譲
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幼児から社会人向けの生涯教育プラットフォームを構築中
ビジネス・ブレークスルー<2464>は、経営コンサルタントの大前研一(おおまえけんいち)氏が「世界で活躍するグローバルリーダーの育成」を目的に1998年に創業。インターネットや衛星放送を活用した遠隔型教育サービスが中心。2005年にビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT大学大学院)、2010年にビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)を開学したほか、2013年10月にインターナショナルスクール運営会社(学校名:アオバジャパン・インターナショナルスクール)を子会社化したことで、1歳の幼児から社会人まで幅広い年齢層をカバーする国内でも類例を見ない「生涯教育プラットフォーム」の実現に向け、事業展開を進めている。
2015年3月期の第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比32.2%増の1,831百万円、営業利益が同7.0%増の176百万円となり、上半期としては売上高で4期連続、営業利益で2期連続の過去最高を更新した。このうちインターナショナルスクール子会社化の影響額は売上高で384百万円の増収、営業利益で17百万円の減益となっており、既存事業だけで見ても、法人向け教育サービスが堅調に推移したことにより増収増益となっている。
2015年3月期の連結業績は、売上高が前期比21.5%増の3,725百万円、営業利益が同0.2%減の254百万円と期初計画を据え置いている。インターナショナルスクールの施設整備や「国際バカロレア(IB)」の認定取得に向けた教員教育など先行投資を継続して行う予定のため、保守的な計画となっている。なお、2014年11月に幼児向け語学教育や知育・体育レッスンなどの教育サービスを行う「JCQバイリンガル幼児園」(東京・中央区)の運営会社を子会社化した。同幼児園は日本語・英語・中国語を教えるグローバルな側面と、知育・体育・情操教育等をバランスよく融合した幼児期の全人教育に定評がある晴海地区の幼児園であり、年間売上高で約200百万円、営業利益でも若干の黒字を計上している。
同社では今後の成長戦略として、(1)プラットフォーム事業への挑戦、(2)コア・ビジネスの事業拡大、(3)法人営業の強化、の3つの取り組みを強化していく方針。プラットフォーム事業では、インターナショナルスクールでのIB認証を2016年3月期中に取得し、アジアNo.1のインターナショナルスクールに育成していくこと、また、そのなかで蓄積した世界標準の教育に関するコンテンツやカリキュラム運営などのノウハウをプラットフォーム上で展開していくことを目指している。コア・ビジネスでの安定成長にプラットフォーム事業が加わることで、業績は一段の成長拡大が見込まれる。
Check Point
●自社開発の遠隔教育システムでいつでもどこでも受講が可能
●上半期の売上高は4期連続、営業利益は2期連続で過去最高更新
●教育カリキュラムの充実と遠隔教育システムで差別化を図る
事業概要
遠隔型のマネジメント教育サービスを中心に事業展開
(1)事業内容
同社は経営コンサルタントで現代表取締役社長の大前研一氏が、「世界で活躍するグローバルリーダーの育成」を目的として、1998年4月に設立した教育サービス会社である。主に社会人を対象として、インターネットや衛星放送を活用した遠隔型のマネジメント教育サービスを中心に事業展開しており、教育のコンテンツはすべて自社で企画・制作していることが特徴となっている。また、2013年10月に幼・小・中・高の一貫校である「アオバジャパン・インターナショナルスクール」を運営する(株) アオバインターナショナルエデユケイショナルシステムズ(以下、アオバ)を子会社化し、1歳の幼児から社会人まで幅広い年齢層に教育サービスを提供する「生涯教育プラットフォーム(Life Time Empowerment)」の実現に向けた環境を整えた。