イスラム国に拘束された日本人の人質事件は日本だけでなく、世界中のメディアで大きく扱われている。
本稿を執筆している日本時間29日正午現在、フリーランス・ジャーナリストの後藤健二さんは解放されておらず、予断を許さない状勢だ。
少なくとも17人が人質として拘束されている
湯川遙菜さんと後藤さんの映像が公開されてからほぼ10日。日本では2人に関心が集中しているが、実はイスラム国が拘束している人質は2人だけではない。
様々な情報を総合すると、世界各国から少なくとも後藤さんを含めて、今でも計17人が拘束されている。
例えば、2013年4月、米国の人権活動家の女性(26歳・氏名未公開)はシリア領内でイスラム国に拘束され、いまだに解放されていない。その後、イスラム国が情報を発信しないのでニュースにならないだけだ。
また、イタリア人神父パオロ・ダログリオ氏は30年以上もシリアにいる聖職者で、2013年7月、シリアのラッカでイスラム国に拉致されて以来、安否確認が取れていない。同氏はイスラム国とクルド人の抗争激化を憂慮し、仲介しようとラッカに入っていた。
国際赤十字に勤務する職員3人(氏名未公表)は2013年10月、アレッポ近郊でやはりイスラム国に拘束された。同国は3人の情報を全く公開していない。