ボストン美術館で、(知られている中では)米国最古となるタイムカプセルが開けられた。サミュエル・アダムズ、ポール・リビアなどの米国独立の英雄たちが、1795年、埋めたもので、Ⅹ線撮影で内容確認のうえ、慎重に開封され、しばらく展示ののち、もとの場所に埋めるという。
200年を経ても驚くほど良好な保存状態
1855年、一度、取り出され、再度埋められているこのタイムカプセルには、硬貨などとともに新聞が収められているが、200年以上経た今も、「驚くほど良好な」保存状態にあるという。
イタリア、ナポリ近くの古代都市ポンペイは、1500年もの間、「良好な保存状態」にあった。西暦79年、ヴェスヴィオ火山が噴火、火砕流に埋もれ、偶然「保存」されることになったのである。
16世紀末「再発見」、18世紀になり本格的に発掘が開始された街は、今や、イタリア有数の観光名所。
19世紀、エドワード・ブルワー=リットン卿がその様子を綴った「ポンペイ最後の日」がベストセラーとなり、20世紀には、たびたび映画化、その名はさらに知れ渡った。
1994年、フランスで発見された洞窟壁画は、3万2000年前のものが良好に保存されている。2万年ほど前、巨岩が滑り落ち、入り口をふさいだことが、そんな奇跡を呼んだのである。
時間が止まったかのようなそのショーヴェ洞窟の様子は、ヴェルナー・ヘルツォーク監督が『世界最古の洞窟壁画 忘れられた夢の記憶』(2010)の3D映像で鮮明に映し出している。
その撮影はフランス文化省から特別に許可を得たものだったが、極めて少人数で短時間に限定されるものだった。
と言うのも、フランスには、観光客を多く受け入れたことから、1万5000年前のラスコーの洞窟壁画に、吐く息でカビが生えてしまったという苦い経験があったからである。