アメリカ海兵隊のAAV-7(写真:筆者)

 新年度の防衛予算案が決定し、「離島を占領された場合に奪い返す目的で使われる」と説明されている水陸両用車を30両輸入するための203億円が計上された。

 そもそも「離島を占領された場合に奪い返す」ための装備購入よりも、「外敵に離島を占領させない」ための戦略を構築し、そのための具体的諸作戦に基づいて自衛隊の組織再編、必要な人員補充、そして何よりも無駄な人員や施設の削減を行った上でどうしても必要な装備の選定をする、というのが、軍事常識に合致した流れである。ところが日本の国防予算編成は、相変わらず“お買物リスト”先行と批判されても仕方がない状況である。

水陸両用車AAV-7の誤ったイメージ

 陸上自衛隊がとりあえず30両調達しようとしている水陸両用車は、アメリカ海兵隊が40年以上も使用している「AAV-7」というアメリカ製の装甲車輌である。

 海兵隊内では「アムトラック」(amphibious tractor、水陸両用装軌車)と呼称されているAAV-7は、その名称が水陸両用強襲車(Amphibious Assault Vehicle)となっていることと、その外見から、敵が待ち構える海岸線に強硬接近し敵前上陸して(すなわち“強襲”)海兵隊員を送り込む頑強な装甲戦闘車両と思われがちである。