本記事は12月3日付フィスコ企業調査レポート(ディーブイエックス)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 
佐藤 譲
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技術営業のサポート力でシェアを拡大し15/3期2Qも過去最高を更新

 ディーブイエックス<3079>は、循環器疾病分野を中心とした医療機器の販売会社。不整脈事業(販売代理店業)と虚血事業(主に輸入総代理業)が2本柱。不整脈事業の市場シェアは関東圏で40%、全国でも19%とトップで、顧客に対する技術営業のサポート力を武器にシェアを拡大中。虚血事業では主に国内に競合品がない高度医療機器を海外で発掘し、独占販売権をもって輸入総代理店となり医療施設や代理店向けに販売を行っている。2014年9月に東証第一部銘柄に指定替えとなっている。

 2015年3月期の第2四半期累計業績は、売上高が前年同期比12.0%増、営業利益が同6.3%増といずれも過去最高を更新した。不整脈事業ではICD(植込み型除細動器)や電極カテーテル類などの販売が順調に伸びたほか、虚血事業では、国内に競合製品のないエキシマレーザ血管形成システム関連商品や、バルーンカテーテルなどが好調だった。円安の進展やプロダクトミックスの変化により利益率は若干低下したものの、増収効果でカバーした格好だ。

 2015年3月期の業績見通しは、売上高が前期比4.4%増、営業利益が同2.9%増と期初計画を据え置いている。ただ、第2四半期累計までの進捗率は、売上高が51.5%、営業利益が53.7%といずれも直近3年間の平均値(売上高48%、営業利益50%)を上回っていることから、若干の上積みは可能とみられる。円安が進んでいるが、今下期(2014年10月-2015年3月)は3分の1を予約済みであり、増収効果で吸収可能とみられる。為替が営業利益に与える影響額は、年間で1円/ドル当たり14百万円となる。

 同社は中期的な事業戦略として、不整脈分野での更なるシェア拡大と不整脈分野以外への進出(販売代理店業)、海外製医療機器の新製品独占販売権獲得などを進めていく方針で、成長拡大路線を加速していく。未公開オーナー企業がほとんどの医療機器販売業界で経営の透明性を示す東証上場企業のブランドを活かし、地域基幹病院に人脈をもつキャリア人材の採用を積極化させており、当第2四半期から既に増収効果となって表れている。高齢化社会が進む国内市場において、循環器系を中心とした患者数は今後も増加し、同社がビジネス展開する市場は拡大していくことが予想されており、技術営業のサポート力やニッチトップ製品の独占販売権などを強みに持つ同社の業績は今後も2ケタ成長の拡大基調が続く可能性が高い。

Check Point

●サポート力により症例件数の多い医療施設への納入実績は高い
●主力製品の販売が順調に推移し15/3期2Qも過去最高を更新
●医療機器セクターで多角化の可能性を追求する積極的な成長拡大

事業概要

医療機器専門商社として上場来、増収増益と実質増配を継続

 1986年創業の医療機器専門商社で、2007年JASDAQ(現 東京証券取引所JASDAQスタンダード)上場以来、連続増収増益、実質増配を続けている。同社の事業は「不整脈事業」「虚血事業」「その他」と3つの事業に区分されている。2015年3月期第2四半期累計の売上高構成比で見ると、「不整脈事業」が80.9%、「虚血事業」が15.2%と2事業で全体の96%以上を占めており、ここ数年この傾向は変わっていない。