グーグルが今年5月に発表した「グーグルTV(Google TV)」の計画が難航しているようだ。この計画のパートナー探しにグーグルが苦戦を強いられていると米ウォールストリート・ジャーナルが伝えている。
テレビ局はグーグルのビジネスモデルに懐疑的
理由は、膨大なコンテンツを抱えるテレビ局が乗り気ではないからだ。テレビ局は、既存の放送事業が危険にさらされる中、それを補う以上のメリットがもたらされるビジネスモデルをグーグルが構築できるのか懐疑的だという。
記事は事情に詳しい関係者の話として、グーグルがここ最近テレビ各局の関係者にアプローチしていると伝えている。テレビ局のウェブサイトで配信されている映像コンテンツに関するデータをグーグルに提供するよう説得しているというが、各社は二の足を踏んでいる。
新たなコンテンツを求めるハイテク企業と、コンテンツを奪われることに懸念を抱くメディア企業との間で綱引きが始まったとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
ウェブの体験をリビングルームで
グーグルが今年5月20日に発表した「グーグルTV」とは、同社のスマートフォン向け基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」をベースにしたソフトウエア基盤のこと。
これを搭載したテレビを開発し、ネット上の様々なサービスを家庭のリビングルームで利用できるようにするというのが狙いだ。
開発パートナーとしてソニーや米インテル、衛星テレビの米ディッシュネットワークなどが加わっており、各社のハードウエア、ソフトウエア、コンテンツを組み合わせた第1弾製品を今秋にもソニーが発売すると発表していた。
ところがそのコンテンツの確保に、大手テレビ局の協力が得られないというわけだ。
米マイクロソフトや米アップルなど、これまで多くの企業がテレビとネットの融合を試みてきたが、グーグルのアプローチはそれらとは異なるのが特徴だ。
それは、消費者がパソコンで日々体験しているウェブのコンテンツやサービスのすべてをテレビで利用できるようにするというもの。