4月に沈没した韓国のセウォル号は韓国社会に様々な影響を及ぼした。その中でも、官フィア(官僚+マフィアの造語)がやり玉に挙げられ、官公庁に対する人々の不満が高まっている。
一般企業の“定年”は53歳
だが、こうした世相と反比例するかのように最近の大学生たちは公務員試験を準備することが多い。
なぜなら、いまの韓国では就職そのものが非常に厳しいうえに、やっと企業に就職できたとしても定年までいられる確率がとても低いからだ。
韓国の一般企業では社員は平均53歳で辞めているので、60歳定年が保証されている公務員はとても安定した職業と言える。
給料は確かに企業に比べて少ない。階級によって異なるものの公務員で最下位の9級に当たる新卒者の給料は、手取りで150万ウォン(約15万円)。これに対し、サムスンなど大企業の手取りは2倍の約300万ウォンに達する。
しかし、定年保証に加えて、公務員には定年後の年金という魅力がある。
公務員のように安定的な職業のことを韓国では「チョルパプトン(鉄の飯櫃)」と言う。鉄のように硬い食い扶持という意味である。
しかし、その安定的な職業にも厳しい風が吹き始めている。これまで「チョルパプトン」と言われてきた公務員、教育公務員(公立学校の先生)、公的機関の職員などに政府が改革のメスを入れようとしているのだ。
先日、公立中学の教師だった親戚が定年を数年残して辞めてしまった。