マット安川 5人の女性閣僚が話題の安倍改造内閣について、平沢勝栄(自民・衆議)さんをスタジオに迎えてお伺いしました。また、朝日新聞の誤報撤回を例に、メディアやマスコミのあり方についてもお聞きしました。

女性議員の入閣ありきで、男性が弾き飛ばされた面も

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:平沢勝栄/前田せいめい撮影平沢 勝栄(ひらさわ・かつえい)氏
衆議院議員(自民党中央政治大学院学院長) テレビ・ラジオにも多数出演。葛飾区柴又在住。『もう黙っていられない!』(徳間書店刊)『政治家は楽な商売じゃない』(集英社刊)『拉致問題』(PHP研究所刊)など著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)

平沢 今回の安倍改造内閣は、主なポストは留任ですが、それ以外では、女性を最低5人ということが至上命題になってしまいましたので、男性が弾き飛ばされるということにもなりました。また、安倍(晋三)首相と考え方の違う方も弾き飛ばされたかなという感じです。

 安倍首相が女性5人にこだわったのは、首相自らが民間企業でも幹部クラスには女性を3割は登用してほしいと要請したからです。今度の新しい閣僚は18人ですから、3割というと5人は登用しないと自己矛盾になってしまう。まず隗より始めよ、ということです。

 ただ、自民党の国会議員のうち女性は1割弱ですから、これについては党内でも、女性を入れるのはいいけれども、女性だから入れるというのでは逆に男女差別ではないかという意見があるのも確かです。

 いずれにしろ、入閣して喜んでいる人がいれば、その3~5倍泣いている人がいることは間違いありません。しかし人事ですから、サラリーマンもそうですが、決まったら従うしかない。

 あとは選ばれた人は期待に応えていい仕事をすることです。もしいい仕事ができなかった場合は、なんで選んだんだということになってしまいます。その意味では、責任は普通以上に大きい。死に物狂いでいい仕事をすることが大事なんじゃないですかね。

谷垣氏の幹事長抜擢は最高の一手、党内がまとまる

 谷垣(禎一)さんの幹事長抜擢は、いい人事だと思います。谷垣さんは、安倍さんとはちょっと考え方は違いますけど、特に親中的な方ですから。しかしながら人柄がすごくいいので、党内に敵がいない。その点で、党内が非常にまとまりやすくなります。安倍さんは最高の一手を打ったなと見ています。

 それと、谷垣さんは無派閥ですがグループはありますので、野に放っていると、みんな集まってきて、安倍さんに対抗するグループにならないとも限らない。その点でも中に入れるというのはいい人事だったと思います。

 また、公明党とのパイプも強いですし、これからいろいろな政策をやっていく上で非常にやりやすい。集団的自衛権などでは考え方が違うと思いますが、谷垣さんの人柄だったら、いったん入った以上、安倍さんの考え方に従って、自分の考えを殺してやられると思います。