産地として生産を増やすことも大事だが、世界で認められるには、国際的な販売網に乗らなければならない。
内田さんがパリなどの舞台で琉球紅茶の販路開拓を目指す様子は、WOWWOWが2011年6月に放送した「ノンフィクションW」や、TBSが2012年20月に放送した「夢の扉」などで詳しく紹介されている。現在は、フランスの高級スーパーで販売する商談が進んでいるところだという。
沖縄での紅茶生産も、「琉球紅茶」に触発されたのか、県内の各地で広がっているようだ。国産紅茶が日本の各地で作られているが、沖縄の名産品として紅茶が定着する日は近いかもしれない。沖縄ティーファクトリーも、石垣島などに茶園を広げる予定だと言う。
地域産品を一堂に集めて「ふるさと創生館」を
安倍内閣は、9月の内閣改造で、石破茂氏を地方創生相に起用、内閣に「まち・ひと・しごと創生本部」を設けた。地域ブランドづくりに取り組んでいる各地の動きを見ると、最も苦労しているのが販路の確保だ。
メディアなどで話題になると、観光みやげとして、地域ブランドを目指す産品の人気が高まることがあるが、一過性に終わることが多い。東京や大阪のような大消費地に「地域ブランド館」を設けて、常設の店舗で販売できるようになれば、安定した販路が確保でき、生産者も安心して生産に励むことができるようになる。
地方自治体の多くは、東京などにアンテナショップをつくり、地元産品の販路拡大に努力している。政府も「地方創生」を叫ぶのであれば、銀座のど真ん中に「ふるさと創生館」を設けて、各地の産品の常設コーナーで、地域ブランドの確立を手助けしてはどうか。各地の産品が勢揃いすれば地域間の競争も高まり、消費者の購買意欲も増すかもしれない。