2014年6月、厚生労働省により健康被害リスクの高い豚肉の生食を禁止する方針が出された。牛から豚へと肉の生食禁止が拡大することに、不満や怒りを覚える人も多いという。だが、肉は火を通して食べることが当たり前だったはず。最近の消費者の意識はどうなっているのだろうか。
牛の代用品の豚も禁止に
夏本番。スタミナをつけようと焼き肉店に足を運ぶ人は多い。ただし、「カルビにロース、それと牛レバ刺し」と注文しても、いま牛レバ刺しは出てこない。2011年に焼き肉チェーン店で起きた食中毒事件を受け、翌年の7月から提供が禁止されているからだ。
牛レバ刺しが食べられなくなり、残念がる人は多い。そこで、禁止後の代用品として、豚のレバ刺しを提供する飲食店が出てきた。さらには、豚の刺身を看板メニューにする店まで登場。全国に豚の生食料理を提供する飲食店が増えた。
しかし、2014年6月、厚生労働省は重大な健康被害が出る恐れがあると、飲食店で豚肉の生食提供を禁止する方針を決めた。またもや、レバ刺しの禁止にファンから嘆きや怒りの声が上がっているという。
生肉とは基本的に危険なもの
厚生労働省が豚肉の生食を禁止したのは、E型肝炎ウイルスによる劇症肝炎や、サルモネラ属菌やカンピロバクターなどの細菌による食中毒のリスクが高いからだ。豚レバーの生食による食中毒は2003年以降で5件発生している。