日系企業で働いている人から、「将来を考えて他の職場にも興味があるのだが、どのようにしたらよいか分からない」という声をよく聞く。転職など普段考えないことだし、外資系など縁遠い存在だろう。でも、望めば 窓は大きく開かれている。

外資系人事は企業間の椅子取りゲーム

 外資系企業では、たいていオープンポジションという人材募集中の空席がある。

 限られた外資系経験者を採用し合っているので、椅子取りゲームのように人材難の問題は解決することがない。新たな人材流入が求められている。では、外資系への入り口はどこにあるのだろう。

 外資系企業への就職は、新卒採用と中途採用がある。新卒採用は少人数幹部候補採用の場合が多いので、やや狭き門。中途採用は空席ポジションを埋めるためで、すべての部門、レベルで行われている。

 まず、中途採用から見てみよう。現在、外資系で働いている人の大半は日本企業から外資系への転職者だ。求人先を見つけるためには、何と言っても転職エージェントからの紹介が有力だ。

転職エージェントが外資系転職への第一歩

 筆者も日本企業からの転職組だ。1990年代後半だったが、当時のヘッドハンターは一部のトップエグゼクティブが対象で、筆者のような若輩は何も情報がないなか、口コミや新聞の求人欄を見て応募をしたものだ。現在では、数えきれないほどの転職エージェントが存在し、エグゼクティブから若手まで、幅広く仕事の紹介をしている。

 日本企業から転職を考えている人は、会社の友人にも相談し難く、自分1人で悩んでしまいがちだ。だからこそ、頼りになる転職エージェントは大切だ。

 エージェントは、コンティンジェンシー(採用決定で年収の約30%の成功報酬)やリテイナー(あらかじめ固定のフィーで契約)などの報酬体系があるが、基本的にはいかに候補者を求人先にはめ込むかが自分の成果となる。

 ただし、長い付き合いができるとお互い思えれば、短期的な成果より、お互いのことを考えたウィン・ウィンの関係を作り出せる。頼りとなるエージェントを持つことは、転職を成功させる第一歩だ。

 また、エージェントは会社に属していても、個人の力量がかなりものを言う仕事であるため、頼りになる個人を見つける必要がある。