中国人民解放軍が尖閣諸島の奪取を目的とする日本との短期で敏速な局地的戦争の準備を進めている――。

 こんな情報が米国海軍の現役軍人から明らかにされた。

 どの国の軍隊でも常に最悪の事態を想定して、作戦準備をするというのは普通だが、わが日本が実際に攻撃を受けるというシナリオには真剣な関心を向けざるを得ない。

 最初にこの情報を明らかにしたのは、米国海軍の研究機関「米国海軍研究所(USNI)」のネット機関紙「USNIニュース」に2月18日に掲載された記事である。その記事がさらに「ワシントン・タイムズ」(2月20日付)に、ビル・ガーツ記者の解説とともに報じられた。

 それ以来、ガーツ記者の同記事はスクープ報道として注視され、米国の他の大手メディアも後追いという形で同じ内容を報じるに至った。日本やイギリスのメディアでも転電された。

 ガーツ記者は軍事や防衛など国家安全保障を専門分野とするベテランのジャーナリストである。特に中国の軍事動向に詳しく、国防総省や中央情報局(CIA)、国家安全保障局(NSA)などを情報源として多数のスクープ記事を長年にわたり発信してきた。だから彼の記事は特に注目されるのである。

台湾に加えて日本も軍事行動の標的に

 この気になる情報を当初のUSNIニュースの記事から紹介しよう。その報道の骨子は以下のようなものだった。

・米海軍太平洋艦隊の諜報情報作戦部副部長のジェームズ・ファネル大佐は、2月13日のサンディエゴでの会議で、「中国人民解放軍は最近、東シナ海で日本の自衛隊を撃滅する戦闘に備えるという新たな作戦命令を上部から与えられた」と述べた。