先週末、マイクロソフトの基本ソフト(OS)「Windows8.1」がリリースされた。8.0からの無償アップグレードで、早速インストール。新たに追加されたアプリの中で、個人的には「リーディングリスト」が気に入った。

 おかげで「BINGニュース」に集められた記事を気軽にため込み、後でゆっくり読めるようになったからである。

日本が誤解を招く原因の1つ、日本語の壁

007は二度死ぬ

 今さら語るまでもないが、「BINGニュース」は、複数メディアの記事がまとめられ、ニュースを流し見するのに便利なアプリ。

 日本の記事はもとより、英米仏独西伊露葡中韓からアルゼンチンやサウジアラビア、そして、タイ語のような見慣れぬ文字の最新ニュースに至るまで、メカに弱い者でも簡単に接することができるところがいい。

 それほどまでに世はフラット化したのか、と思わせるわけだが、いくらフラットになろうとも、そこに言葉の壁は頑として立ちはだかっている。キリル文字、アラビア文字ならまだしも、見慣れぬアジアの文字ともなると、皆目見当がつかない。

 自動翻訳ソフトという選択肢もあるだろうが、その訳は日本語の勉強を始めたばかりの人が話しそうな、分かったような分からないようなストレスフルな日本語。インドヨーロッパ語族の言葉なら英語にすればそれなりに用を足すのだが、他の語族となると難しくなるようだ。

慕情

 それは、他国の人々から見れば、「日本語という厚い壁」があることにもなる。そんなこともあってか、日本への誤解には甚だしいものがあるのが残念だ。

 これまで、多くの映画がとんでもない描写をしてきているが、その典型が、日本で長期ロケが敢行されたジェームズ・ボンド・ムービー『007は二度死ぬ』(1967)。

 映画自体は結構面白いのだが、ショーン・コネリーが日本人に化ける描写など、笑って済まされないほどひどい。1964年の東京オリンピックに欧米人が大挙訪れて間もない頃だというのに、このざまというのは、その際、日本が真の国際化を怠った証拠とさえ言える。

 一方、多くの日本人も、限られたソースからしか、外国の情報を得られずにいた。いくつかの全国紙やテレビ、ラジオ、雑誌。そして、書籍、音楽。映画も重要な情報源だった。