ロシアウラル地方のペルミ市議会からご招待をいただき、先週行われた「ペルミー東アジア祭」に参加してきた。
この祭典、昨年の中国に続き今年は日本に焦点を当てるということで、国際交流基金モスクワ事務所の日下部所長、ニジニノブゴロド日本センターの浜野所長とともに日本代表団を組んでの参加だった。
私が招待されたのは、過去4年間にわたり、ペルミ市の日本語教育を支援している実績を評価されたからだ。
当初、日本人教師の派遣から始まった私のペルミ市との協力関係も、昨年からは国際交流基金が世界規模で実施する日本語能力検定試験をペルミ市立ギムナジア2番校にウラル地方では唯一の会場を設置、実施するお手伝いをするところまで来た。
昨年12月の受験者総数は70人で、必要最低受験者数50人をようやく超える程度だったが、今年は130人は確実に受験するという予想で、これだけでもこの地方の日本語学習熱が分かるというものだ。
日本に熱い視線を送るのは、なにもモスクワだけではない。ペルミ市を例に取り、ロシアの地方都市と日本との熱い関係について、リポートする。
独自カリキュラムを採用するギムナジア、リセ
ペルミ市は、モスクワから東に約1400キロ、ウラル山脈の西側に位置する人口100万人の都市である。モスクワからは直行便で約2時間の距離と、大変交通の便のよい場所にある。
先述のように、筆者が交流させていただいているのは、ペルミ市立ギムナジア2番校であるが、この学校は日本語、中国語、朝鮮語を教えるペルミでは唯一の東アジアにアクセントを置くギムナジアである。
昨今のロシアで、「ギムナジア」とか「リセ」と称する学校が増えているが、これらはシュコーラと言われる普通学校の一般教科に加え、その学校独自のカリキュラムを追加した特別学校のことを指す。
こういう特別教育の伝統はソ連時代から教育制度として存在していて、当時から語学や情操教育、スポーツ教育の3分野において傾斜教育が一般化していた。