マット安川 今回のゲストは初登場、碩学・日下公人さんをお迎えして、戦前の日本の教育が世界一の水準だったお話から、現安倍政権が“慎重に”行っている政治情勢まで、詳しくお聞きしました。
日本を取り戻すためには教育改革が必要
評論家、作家。日本長期信用銀行勤務および経済企画庁出向、大学教授など多彩な経歴を持つ。著書・共著多数。近著に『いま日本人に読ませたい「戦前の教科書」』『日本精神の復活 安倍首相が「日本の自立」と「世界の再生」を果たす』『思考力の磨き方』などがある。(撮影:前田せいめい、以下同)
日下 安倍(晋三)政権について、本当に素晴らしい人がいてよかった、間に合ってよかった、日本はつぶれるところだったと思って喜んでいます。
ただ、アベノミクスというのは全体の中の経済政策だけで、安倍さんがやろうとしていることは、総選挙の時からポスターに書いてあるとおり、「日本を、取り戻す。」ということです。
では、日本を取り戻すとは、何ぞやということです。取り戻すというと、バックすることだと思っているから、「エエーッ」となるんですよね。それはマッカーサーが日本に来る前のことですか、となる。それは軍国主義で、悪い日本でしょと。
僕はそうとは限らないと言っています。マッカーサーが来る前の日本は、なかなか立派で、だからアメリカを相手に3年半頑張れたんです。スゴイことですよ。世界中そんな国はないですから。だからアメリカ人はいまでも日本を怖いと思っているわけですよ。中国も日本を怖いと思っているわけです。
そこで最近、『いま日本人に読ませたい「戦前の教科書」』という本を出しました。戦前の教科書を自分で読んで気持ちがよかった。
あの教科書は、第1次世界大戦が終わって世界中これからは平和だと、もう二度と戦争はあるまいと思っていた時に作られたものです。だから世界は平和、仲良くしようということと、同時に、日本人の根性はなくしちゃいけないよと、その両方が書かれている教科書なんです。