最近、モスクワに出かけた。同地でロシア・ビジネスに従事されている方々と会食する機会があった。日常の苦労話に花が咲いて酒が進む中で、中堅どころの1人から真面目かつ超実務的な質問を受けた。「ロシア人とは何でしょうか」

 何年もロシアで働いていれば、多種多様のロシア人に遭遇するから、次第にステレオタイプな民族・文化論など役に立たなくなってくる。そうなると、眼前の相手をどう理解して掴んだらよいのだろうか、という思いに駆られて悩む。

ビジネスの足を引っ張る日本人のロシア観

シャラポワが初戦突破、ウィンブルドン選手権

この人を好きな日本人は多い。ウィンブルドン選手権に出場しているマリア・シャラポア〔AFPBB News

 外地に出ればどこの国でもそうなのだから、ロシアでも、なのだ。決して、何をいまさら、ではない。

 ただ、ロシアは、彼らと日本との架け橋を務めようとする人々にとって、どうにも負担が重い相手のようだ。日本人の側がロシアにもロシア人にも概して好意を抱いていない場合が多いからだ。それは、会食した方々の東京本社の大多数にも往々にして当てはまってしまう。

 現場にいない人たちとの意思疎通は難しい。これにイライラされる向きが、最近は中国でも専門家の方の中から出ておられるようだ。だが、ロシアでは昔からそれが当たり前の状態だった。

 「ロシア人とは何か」との質問には、筆者なりの考えは述べたようだ。ようだ、などといい加減なことを言うのは、回った酒の咎と思って頂きたい。それはともかく、二日酔いの頭で翌朝、なぜロシアやロシア人が日本人に嫌われるのかに改めて思いを馳せた。

 昨年10月に総務庁が行った「外交に関する世論調査」によれば、「親しみを感じる」あるいはそれに近い回答は合わせても19.6%、これに対して「親しみを感じない」仲間が76.5%だった。同じ調査で米国の場合はそれぞれ84.5%、13.7%、中国は18.0%、80.6%、韓国が39.2%、59%である。

 比べてみれば、米国は別格としてもロシアが一番嫌われているわけではない。昨今の尖閣問題をはじめとする隣国の「強圧的な」態度に辟易している日本人が増えたことは、容易に想像がつく。

 韓国も竹島問題をはじめとして、いろいろ出てきてしまい、韓流人気もどこかへかき消されてしまう。その結果、韓国に「親しみを感じる」が一昨年の62.2%から一挙に20%以上も減って上述の数値に転落する。

 だが、ロシアには他を寄せ付けない記録がある。1978年にこの世論調査が始まってから、ソ連の時代を通じてただの一度も「親しみを感じる」が「感じない」を上回ったことがないのだ。