参議院選挙が近づいてきた。いまのところ7月4日公示、21日投票が有力だ。アベノミクス、憲法改正、原発再稼働等々、選挙で問われるべき問題は多い。だが、何が争点か? と言われると、残念ながら争点らしきものは浮かび上がってこない。

 2012年の総選挙も、争点らしき政策テーマはなかった。各党のマニフェストなど、真剣に吟味した有権者は少ないだろう。要は、昨年の総選挙の唯一の意義は、民主党政権に退場を求めることであった。

野党転落時に現れる歴史の違い

 そもそも政策が大きな争点になるには、与党に対抗できる有力な野党の存在が不可欠である。参議院の議席数だけを見れば、民主党86議席、自民党83議席であり、民主党が上回っている。だが与党である自民党、公明党は、第一院である衆議院で3分の2を超える議席を保有しており、圧倒的に強い与党体制を構築している。

 そのうえ民主党は、政権運営失敗の責任を参議院選挙では、まだ問われていない。確実に、昨年の総選挙に次ぐ厳しい審判を受けることになるだろう。民主党自身、いまだ確固たる道を確立してはいない。それどころか五月雨的に脱党者が相次いでいる。

 ここが悲しいかな、政党の歴史の違いである。自民党は野党に転落しても、脱党者が相次ぐということはなかった。自民党議員は、野党に転落しても、強く地域に根を張った後援会組織、各種業界や官僚組織との利権をも伴った結びつき、あるいは保守政治家としての矜持など、そのすべてが肯定できるものかどうかは別としても、重層的な復元能力を持っていた。

 例えば、いま自民党で総務会長代行、国土強靭化総合調査会会長を務める二階俊博氏は、東日本大震災直後に会った際、こんな話をしていた。

 「支援者の中には、こんな大震災の時に、大臣などしていなくて良かったですね。責任が大変だから、と言う人がいる。こういう人たちに言っているんだ。とんでもない。こんな時にこそ、俺に仕事をさせてほしい」と。

 復興への並々ならぬ自信を感じるとともに、必ず自民党の出番が来るという確信に満ち溢れていた。

ブームに乗って当選した議員の哀れな末路

 だが民主党議員には、それがない。多くがぽっと出の青年や女性であり、後援会組織も連合依存や脆弱なものでしかなかった。大した政治哲学もなく、政治家になるには民主党から出馬するのが一番簡単だった、というだけの議員がいかに多かったことか。

 衆議院の比例で当選した議員の中には、たまたま名前を登載してもらったら当選してしまったという人が少なくない。