維新の会の橋下徹大阪市長の慰安婦や風俗業発言は、国内外で大顰蹙を買ったが、最近の中国や韓国からの日本に対する発言や主張も目に余るものがある。私は、簡単に「反日」などというレッテル張りをすることは好まないが、そう言わざるを得ないものも少なくない。

レベルの低い韓国紙の言いがかり

 その1つが韓国の大手紙である「中央日報」の5月20日付のコラム記事だ。

 安倍晋三首相が東日本大震災の被災地視察で航空自衛隊松島基地を訪問した際、操縦席に座った空自機の番号が「731」だったことを取り上げ、細菌兵器を研究したとされる旧日本陸軍の731部隊の名称と同一であり、それを想起させるとして非難し、日本の反省が足りないと主張する内容だ。レベルが低すぎる言いがかりとしか言いようがない。

 安倍首相が5月12日に、宮城県東松島市の航空自衛隊松島基地を訪れたのは、東日本大震災で大きな被害を受けた松島基地に所属する曲技飛行チーム「ブルーインパルス」が、避難していた九州の自衛隊基地から復帰したことを祝う行事に参加するためであった。その際、たまたま隊長機の操縦席に座ったに過ぎない。防衛省によると、機体番号は機種や製造順で決まるという。

 菅義偉官房長官も記者会見で「あえてそんなことをするはずがない」と述べたが、その通りだろう。わざわざ731部隊を想起させて何の得があるというのか。どう論理的に考えても、偶然としか言いようがない。それとも日本では、731という番号は使うなとでも言うのだろうか。

 日本による韓国の植民地支配を肯定するつもりはさらさらない。それどころか言語に絶する苦痛を与え、民族の尊厳を傷つけたことを真摯に反省すべきだと考えている。だが今回のような妄言は、そういう日本人の気持ちに水差すものだということを知ってもらいたい。

原爆投下で在日の韓国人も犠牲になった

 同コラムは、さらに大規模空襲や原爆投下を神による「過酷な刑罰」としたうえで、第2次大戦末期のドイツ・ドレスデンへの空襲を「ユダヤ人の復讐(ふくしゅう)だ」、広島、長崎への原爆投下については「日本軍国主義へのアジア人の復讐だった」と主張。非戦闘員への無警告、無差別の大規模殺戮についても「国家を改造して歴史を変えた」として支持する主張を展開している。