ソウルの街には、一体いつからこんなに整形外科病院が目立つようになったのか。高校生が秋の大学受験共通試験(修能)を終えると整形外科に行くことが当たり前のようになったのはいつからなのか。芸能人はもう整形を隠さないし、海外から病院に通うためにソウルを訪れる人もどんどん増えている。

 「整形大国」韓国の実態について、ソウルの江南(カンナム)で人気の整形外科、マスター整形外科を経営する金度完(キム・ドウォン)院長(41)に最新事情を聞いてみた。

やっぱり韓国は整形手術のメッカだった

韓国・江南(カンナム)でマスター整形外科を経営する金度完(キム・ドウォン)院長

――韓国はいつの間にか「整形大国」というイメージが定着しましたが、実態はどうなのですか?

 「昨年、米CNNが『韓国は世界の整形手術のメッカだ』という内容のニュースを流したことがあります」

 「国際美容整形協会という団体の報告書の内容が最近、韓国紙に報じられましたが、それによると、2011年の韓国での整形手術件数は65万件。人口1000人当たり13件ということで世界最高だったとのことです。ちなみに2位と3位はイタリアとギリシャでした」

 「ツィッサーベイというオンライン調査会社が2012年に全国の男女2611人を対象に実施した調査では、11.1%の人が整形手術の経験があると回答しています」

――やはり世界一ですか。先生の病院があるここ江南にも整形外科病院が多いようですね。どんな手術が多いのですか。

 「ソウルでも最大の繁華街であるここ江南は整形外科の最大激戦地区です。2013年3月現在でソウルには整形外科病院が402カ所ありますが、江南区だけで288カ所もあります。あちこちに看板があるでしょう」

 「どの手術が多いかは病院によってもちろん差がありますが、一般的には最も多いのが二重まぶたにする手術ですね。件数ベースで言えば全体の6割近くがこれです。次が鼻の手術で2割くらい。鼻を高くしたり、形を変えたり、いろいろな手術があります。やはり顔の中心にあるから気になるのでしょうね」

――韓国ではいつからこんなに整形手術が増えたのでしょうか。

 「1980年代後半から整形手術の医療技術面での進歩がありました。整形手術も増えていましたが、一気に増えたのは2000年以降でしょうね」