米IDCがまとめたタブレット端末市場に関する調査によると、今年1~3月期に世界で出荷された端末の台数は4920万台だった。これは1年前の同じ時期の約2.4倍という数値。また昨年6月末までの半年間の出荷台数をも上回っている。
これに対し、今年1~3月期の世界のパソコン出荷台数は7629万台で、1年前から13.9%減少した。この減少率はIDCが統計を取り始めた1994年以降最大。パソコン市場は低迷しているが、その一方でタブレット市場が急拡大していることが改めて分かる調査結果だ。
アップル65.3%増、サムスン282.6%増
1~3月期におけるタブレット端末の出荷台数をメーカー別に見ると、米アップルが1950万台で最も多く、そのシェアは39.6%。2位は韓国サムスン電子の880万台で、シェアは17.9%だ。
この後、台湾エイスース(華碩電脳)の270万台(シェアは5.5%)、米アマゾン・ドットコムの180万台(同3.7%)、米マイクロソフトの90万台(同1.8%)と続いている。
タブレット端末の市場を牽引しているのは依然としてアップルだが、調査結果を詳しく見ると同社は安閑とはしていられない状況であることが分かる。
というのもアップルの1年前からの伸び率が65.3%にとどまっているからだ。この数字は決して低いものではないが、これに対するサムスンの伸び率は282.6%で、市場全体の伸び率を大きく上回っている。
このほかエイスースの伸び率は350%、アマゾンも157.1%と高い伸び。いずれもまだ規模は小さいながら急速に出荷台数を伸ばしている。
タブレット市場では、7インチ型をはじめとする小型サイズの端末が売れており、これらを含めた製品を多品種展開するサムスンなどのメーカーが台頭してきている。