最近の東アジア情勢において、韓国と北朝鮮を擁する朝鮮半島は、日本と一衣帯水でありながら、近年外交的には最も遠い国同志であると言える状況にある。朝鮮半島は、第2次大戦が終了した後に大韓民国と北朝鮮人民共和国に分裂した後の朝鮮戦争に至るまで、思想的には中国べったりで、互いに大中華、小中華と呼び合っていた、1つの半島国家であった。
現況では、北朝鮮が共産陣営、韓国が自由陣営に分断されているが、知能的水準は北朝鮮側の方が数段上だと言われる。
その高い知能指数のなせる業(わざ)か、北朝鮮は核兵器とミサイルに関する対米および対6カ国協議において、国民を餓死させても開発し、全世界に対する脅威の1つになろうとしつつ、韓国をも飲み込もうとしている。
一方、韓国は朝鮮戦争以降、厳しい北朝鮮の支配体制が発する思想侵略を受け続けてきたため、左傾化が甚だしく今回の選挙ではかろうじて自由陣営にとどまった。しかし、もし共産主義に完全に染まった野党が勝っていたら、北朝鮮が乗り出してきて、一気に併合される方向に進展する可能性があったと言われている。
確かに現在の独裁国家北朝鮮は貧しい。しかし韓国は、国家として赤字体質を抱えながら韓国経済を牽引してきた財閥に所得格差が拡大してきたとして解体を迫れば、リーマン・ショック時を再来させ、国民の生活レベルは北朝鮮並みまたはそれ以下に落ちる瀬戸際にあるという、厳しい情勢下にある。
北朝鮮の核実験示唆を含む独自の外交を展開する実態と、韓国の財政危機の現況をベースに、韓半島が統一に進むだろう方向を予測し、日本の安全保障のために、取るべき戦略を考えることとする。
1.韓国の2012年12月の選挙
韓国の右翼系評論家の言によれば、今回2012年12月19日の韓国大統領選挙は、韓国歴史上その存在を懸けた、厳しい与野党の対決の場であった。
それは、北朝鮮に迎合する金大中・廬武鉉という左翼系大統領が続いて、北朝鮮に肩入れした10年。その後の李明博政権の5年は、スキャンダルが目立つ以外は、ほとんど国家政策としては無能とも言える政権であった。
かように韓国を危機に曝した政権が「3代続いて」きたことになる。
目下の韓国は、中国の急速な経済・軍事の進展に支えられてきた北朝鮮と対峙しつつ、いまだに何か事態が起これば、米国の庇護が必要な国際情勢下にありながら、反省もなく共産中国の手先である北朝鮮の思想侵略に嵌まり込んできているのである。
韓国の右翼評論家の言によれば、内なる敵(韓国左派)は、「青瓦台に北朝鮮総督府を設置しようという目標」を持って行動しているとまで言われる状況下にある。