米マイクロソフトが先週発表した昨年10~12月期の決算は、売上高が214億5600万ドルで、1年前から3%増加し、四半期ベースで過去最高を更新した。一方純利益は63億7700万ドルで同4%の減益となった。

ウィンドウズ部門は実質11%の増収に

「ウィンドウズ8」ライセンス、1か月で4000万本販売

ウィンドウズ8を搭載したタブレット端末〔AFPBB News

 昨年10月26日に発売した新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」が増収に寄与したものの、業務用ソフトのオフィスなどを手がける「ビジネス部門」と、ゲーム機などを手がける「エンターテインメント・デバイス部門」がそれぞれ2桁の減収となり、売上高全体の伸びを抑制した。

 注目されていた「ウィンドウズ部門」の売上高は58億8100万ドルで、1年前から24%増。

 これは一見好調と思えるが、ここには前の四半期に販売した新OSのアップグレードライセンスとパソコンメーカーへの先行販売分の繰延収入が含まれており、それを差し引いた実質売上高は同11%増にとどまる。

 米ウォールストリート・ジャーナルは今回のウィンドウズ部門の業績について、「ウィンドウズ7を発売した直後の部門売上高は70%増を記録しており、ウィンドウズ8の出足はそれに比べるとかなり鈍い」と伝えている。

 米ガートナーや米IDCなどの市場調査会社のデータによると、昨年10~12月期の世界のパソコン出荷台数は1年前から5~6%減少している。年初から低迷していたパソコン市場はウィンドウズ8の登場で回復すると期待されたが、結果は出なかった。

 米ニューヨーク・タイムズによると、マイクロソフトのピーター・クライン最高財務責任者(CFO)もパソコン販売の低迷を認めており、「一部の例では、ウィンドウズ8の機能を十分に活かせるタッチスクリーン搭載のパソコンの市場投入が遅れており、ウィンドウズ8の販売に影響が出ている」と述べている。

 マイクロソフトはこれに先立つ1月8日にウィンドウズ8のライセンス販売が6000万本を超えたと発表し、新OSの好調ぶりをアピールしていたが、これは旧OSを搭載する古いパソコンの利用者が購入したアップグレードライセンスも含んでいる。