週刊NY生活 2013年1月12日第426号

 1860年6月、ワシントンで批准を済ませた遣米使節団はフィラデルフィアを訪問し、そのうちの8人がフィラデルフィア・チェスクラブで将棋を披露した。これが海外で指された記録に残る最初の将棋だと言われている。

左からスワースモア大学副学長、伊藤果7段、及川拓馬4段、上田初美女王、大西副支部長、野田澤彩乃一級、アラン・ベーカー支部長、伊藤明日香初段

 12月7日、伊藤果(いとうはたす)門下のプロ棋士5人が、この将棋とチェスの出会いを再現した。フィラデルフィア将棋支部師範である伊藤明日香初段、現役タイトルホルダーの上田初美女王も参加した。

 一行はまず、フィラデルフィア将棋支部長のアラン・ベーカー(准教授)が教鞭を執るスワースモア大学で、同大学学長(副学長が代理受理、写真)と記念品交換を行った。

 日本語授業に特別講師として参加後、全米初となる大学公認の将棋クラブで15人の将棋部員に対し指導対局を行った。

スワースモア大学将棋クラブでの指導対局の様子

 また、アサニウム図書館にある152年前に使用されたチェステーブルで、ペンシルバニア州現チェスチャンピオンと及川拓馬棋士が歴史的瞬間を再現した。

 夕方からフィラ デルフィア日米協会にて、フィラデルフィア市の観光大使、地元の日本人コミュニティーにより歓迎レセプションにて交流をもち、歴史的旅に幕を閉じた(主催:フィラデルフィア将棋支部、協賛:フィラデルフィア日米協会)。

(大西哲也/フィラデルフィア将棋支部副支部長)


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