元海上保安官の一色正春氏をゲストに迎えた1月6日放送の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。尖閣諸島中国漁船衝突事件の映像をユーチューブに公開した「sengoku38」こと一色氏が当時を振り返ったほか、日本を取り巻く領土問題や憲法問題などについて語った。
尖閣諸島の中国漁船衝突事件は遅かれ早かれ起きていた
中山 今回は、元海上保安官の一色正春さんにお話を伺います。一色さんといえば2010年9月7日に尖閣諸島中国漁船衝突事件が発生した際、ユーチューブに衝突の映像を公開したことで大きな反響を呼びました。
それによって私たち国民は、日本の国境線で起きた真実を知ることができましたが、まずは事件が起きた時の心境をお聞かせください。
一色 漁船がぶつかったのを見た時は「とうとうここまで来たか」と思いました。
尖閣諸島の周辺海域では長年にわたり違法操業が繰り返されていましたが、日本はそれを取り締まってこなかった。
というより、取り締まってはいけないというのが政府の方針だったんです。だから、いずれこうした事態に発展するだろうと予測はしていました。
中山 一色さんは映像公開後、読売テレビに事件のことを話したそうですね。
一色 あれは一種の保険のようなものです。後で騒ぎが大きくなった時に「頭のおかしな奴がやった」と思われては困るので、映像を流出させた意図を発覚前に担保として残しておいたのです。
中山 一色さんが映像を公開したことは国民がこの問題に目を向けるうえで非常に大きな意味があったと私は思います。
一色 私自身もあの映像は広まるだろうと思っていましたが、一晩であれだけ反響があったのは予想以上でした。
またこれは誤解されがちなのですが、映像は海上保安庁が隠蔽したのではなく、時の民主党政権が隠蔽したのです。海保は言うなればただの一役所ですから、官邸から映像を出すなと命じられればその通りにせざるを得ません。
かつて北朝鮮の不審船が来た時にはその映像を公開していますし、そういう意味で海保はオープンな組織と言えます。