「当社のサイトで検索して商品を購入するとキャッシュバックします。是非当社の検索サービスを使って下さい」――。米マイクロソフトが2年前に始めたこんなサービスが終了することになった。

 同社の検索サービス「ビング(Bing)」の公式ブログによると、「大変素晴らしい機能だったが、当初の期待ほど普及しなかった」と述べている。「今後はこの経験で得たものを新たなプログラムに注ぎ、皆が驚くようなショッピング体験を提供する」としている。

サービス開始から2年、参加企業に伸び悩み

 今後は、太平洋標準時の2010年7月30日午後9時をもって終了し、ユーザーが貯めたキャッシュはその後1年間有効とする。1年以内であればいつでも自分の銀行口座などに振替が可能と説明している。また混乱などを避けるために、顧客サポートも1年間継続する。

米マイクロソフト、「Bing Maps」のベータ版を発表

米マイクロソフトの検索サイト「ビング」〔AFPBB News

 このプログラムは、先行する米グーグルから検索サービスのシェアを奪おうと、ビングの前身となった同社の検索サービス「ライブサーチ(Live Search)」の1つの機能として2008年の5月に導入した。

 商品価格のおよそ10~35%を消費者に還元するというもので、原資は商品を出品する小売業者などが支払う検索広告料。

 オークション大手の米イーベイや、書店大手の米バーンズ&ノーブル、百貨店大手の米シアーズなど、700社以上が参加して始まったが、その2年後の現在の参加企業数は1000社程度にとどまっており、マイクロソフトが期待していたほど増えていない。

マイクロソフトは本気だった

ウィンドウズ7試験版、9日公開

米マイクロソフト社のスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)〔AFPBB News

 そもそもこのサービスは、ビル・ゲイツ会長が鳴り物入りで始めたものだ。サービス開始時にゲイツ会長は、検索広告を再定義するものだとし、広告の新たなプラットフォームになると自信を示していた。「検索サービスを競争ある市場へと変化させるチャンス」とも述べていた。

 英ザ・レジスターの記事によると、同社のスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)はその2カ月後に、「(キャッシュバックプログラムで)グーグルに目に物見せる。我々は消費者の検索広告へのかかわり方を変えると同時に、ウェブ上の消費者の行動に経済的な動機をもたらす」などと述べていた。