米IDCが4日に公表した世界の携帯電話市場推計によると、今年1年間の従来型携帯電話機も含めた出荷台数は1年前からわずか1.4%増の17億台程度にとどまる見通しだ。世界的な景気低迷を背景に出荷台数は伸び悩み、成長率は過去3年間で最低水準になると同社は見ている。
今年もスマホは高い伸び率
一方でスマートフォンに限って見ると、年末商戦の記録的な伸びが牽引し、10~12月期は2億2450万台と1年前から39.5%増加するという。
また同社は、今年のスマートフォン年間出荷台数が7億1750万台になると見ている。これは前年比45.1%増と高い伸び。全携帯電話出荷台数に占めるスマートフォンの割合も42%になるという。
IDCによると、こうしてスマートフォンが急速に拡大しているのには2つの理由がある。
1つは、米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を搭載する韓国サムスン電子の「ギャラクシー(Galaxy)S III」や、米アップルの「アイフォーン(iPhone)5」といった話題の端末が売れていること。
そしてもう1つは、アンドロイドを搭載する低価格端末が中国などの新興国市場で売れていること。
こうした状況を背景にIDCもほかの調査会社と同じく、アンドロイドがスマートフォンのOS別出荷台数で圧倒的なシェアを持ち、これにアイフォーンのiOSが続くと見ている。
だが同社がほかと異なるのは、米マイクロソフトのOS「ウィンドウズフォン(Windows Phone)」が今後4年間でシェアを伸ばすとしている点だ。