米グーグルは食料品などの割引クーポン発行サービスを手がける米国のマーケティング会社を買収したようだ。この会社は「インセンティブ・ターゲティング」というマサチューセッツ州ケンブリッジの新興企業だ。
決済サービスや商品検索サービスに導入
グーグルは買収について公式発表はしていないが、インセンティブ・ターゲティングは自社のウェブサイトでグーグルに買収されたことを報告している。またIT系ニュースブログのテッククランチは、グーグルのモバイルコマース事業の担当者がツイッターへの投稿で買収について言及したと伝えている。
このことから買収した技術やサービスは「Google Wallet」と呼ばれるモバイル向け決済サービスや、商品検索サービス「Google Shopping」に組み込まれるのではないかと見られている。
インセンティブ・ターゲティングの提携企業や顧客はスーパーマーケットチェーンや食料品メーカーだ。こうした企業のマーケティング担当者が、自社取り扱い商品の割引クーポンを顧客に配布したいと考えた際、パソコンからネットワーク経由でシステムにアクセスして、必要な情報を入力する。
すると、それをもとにあらかじめ登録してある顧客に、電子メールのクーポンを送ったり、従来の紙のクーポンをダイレクトメールで送ったり、買い物レシートに印刷したりする。
スーパーや食料品メーカーには、顧客の買い物履歴に応じて特定の商品を薦めたり、ターゲットとする消費者層に限定してキャンペーンを行ったりできるというメリットがある。またそうしたキャンペーンの効果を数値化して見ることができる。
従業員が介在しない完全自動システム
興味深いのは、このシステムが自動化されているという点だ。つまりインセンティブ・ターゲティングの従業員はクーポン発行の依頼を電話などで受けたりはしない。
クーポンの発行もシステムが抽出した顧客に対して自動で行われる。スーパーのPOSともつながっており、実際に顧客がクーポンを使うと、それがPOSに入力される。同社にはその成功報酬が入るという仕組みだ。なお同社はこのシステムで特許を申請中だという。