米マイクロソフト(MS)が独自のスマートフォンを開発中で、アジアの部品メーカー数社と端末の設計試験を行っていると、米ウォールストリート・ジャーナルなどの複数の海外メディアが報じている。
事情に詳しい関係者の話として各メディアは、マイクロソフトが米アップルの「アイフォーン(iPhone)5」と同じ4インチ型と、韓国サムスン電子の「ギャラクシー(Galaxy)S III」と同じ4.8インチ型の間のサイズで試験を行っていると伝えている。
アップル同様の垂直統合型製品開発
ただしこの計画はまだほんの初期段階。マイクロソフトが必ずしも量産に踏み出すとは限らない。同社は2年前に「キン(KIN)」と呼ぶ若者向けスマートフォンを市場投入したが、発売からわずか2カ月足らずで撤退している。
こうした経緯を踏まえると、現時点では製品化の可能性は未知数という。
その一方でマイクロソフトは、自社ブランドのウィンドウズ8搭載タブレットコンピューター「サーフェス(Surface)」を市場投入しており、米アップルのように、ソフトウエアとハードウエアを組み合わせた垂直統合型の製品開発を進めるようになった。
ここ最近はアップルと同様に直販店展開も進めている。
こうしてマイクロソフトによるアップルのビジネスモデルの模倣が顕著になっていることから、同社がスマートフォン分野で同様の戦略を取っても何ら不思議ではないと言われている。
シェアわずか2%、巻き返しを図りたいMS
米IDCがまとめた基本ソフト(OS)別スマートフォン出荷台数調査によると、今年7~9月期のマイクロソフトOSの出荷台数は、わずか360万台で、シェアは2%と苦戦している。
これに対し米グーグルのアンドロイド(Android)は1億3600万台でシェアは75%。アップルのiOSは2690万台でシェアは14.9%だ。