米マイクロソフトが先週発表した7~9月期の決算は、売上高が160億800万ドルで1年前から8%減少した。純利益は44億6600万ドルで同22%減、1株当たり利益は0.53ドルで市場予測を下回った。主力のウィンドウズ部門の売り上げと営業利益が大きく落ち込み、これが業績全体に響いた格好だ。
アナリスト評価は「まずまず」、Windows 8に期待
ただ同社は今週、パソコン向け基本ソフト(OS)の新版「ウィンドウズ8」を発売する。
今回の7~9月期の決算では、この新OSのアップグレード販売による収入や、パソコンメーカーへの先行販売分などを次の四半期に繰り延べており、この影響を取り除いた実質売上高は173億6400万ドルで、1年前と同水準になる。また同じ条件の1株利益は同4%減の0.65ドルとなる。
こうしたことから、アナリストらは今回の決算を「まずまずの結果」と捉えており、むしろウィンドウズ8や、同OSを搭載するマイクロソフト初のタブレットコンピュータ「サーフェス(Surface)」に期待している。
しかし、先週の米インテルの決算でも示されたとおり、パソコン販売は低迷しており、米アップルの「アイパッド(iPad)」のようなメディアタブレットが台頭している。さらに景気低迷によるパソコンの買い控えが起こっており、消費者の関心はスマートフォンに向けられている。
こうした状況で、「マイクロソフトにとってウィンドウズ8は最後のチャンス、もはや失敗は許されない」などと指摘されている。
バルマーCEO「マイクロソフトの新時代の始まり」
決算発表の声明で、スティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は、「ウィンドウズ8はマイクロソフトの新時代の始まり。過去数年間の投資が実を結ぶ時」と強気の発言をした。これにより「並外れた製品とサービスが生まれ、顧客や開発者、パートナー企業に大きな機会がもたらされる」というのが同氏の弁だ。
ウィンドウズ8は、従来型のパソコンに加え、タブレット端末にも対応する。コンバーチブル型と言われるノートとタブレットの1台2役モデルも各社から相次ぎ発表され、目を引く製品も多くある。