市場調査会社の米コムスコアが行った米国人を対象にした調査によると、同国ではアップルの「アイパッド(iPad)」やアマゾン・ドットコムの「キンドルファイヤ(Kindle Fire)」といったタブレット端末を使って新聞や雑誌の記事を読む人が急増しているようだ。
4割が定期的にタブレットで記事を読む
6000人のタブレット端末利用者を対象にしたこの調査で、ほぼ4割の人が1カ月に1度以上、新聞や雑誌のコンテンツを自分の端末で読んでいることが分かった。ほぼ毎日読むという人も約1割いる。
新聞をタブレット端末で1カ月に1度以上読んだという人は37.1%、このうち、ほぼ毎日読むという人は11.5%、1週間に1度以上という人は11%だった。これが雑誌になると、ほぼ毎日は9.7%に下がるが、1週間に1度以上は13.3%になり、1カ月に1度以上という人は39.6%と増える。
いずれにしても、米国人のメディア消費行動に変化が表れていることを示しており、コムスコアのアナリストは「タブレットはニュースや情報の消費のしかたを根本的に変えつつある」と指摘している。
このアナリストによると、新聞コンテンツの全閲覧数に占めるタブレット端末の割合は今のところ7%と少ない。しかしタブレットの普及がまだ初期段階であることを考慮するとこれは注目すべき数値だという。またタブレットでは、パソコンやスマートフォンと比較し、より長い文章を読む傾向にあるとも指摘している。
閲覧範囲や利用時間が拡大
実はこのコムスコアの調査に先立ち、別の調査機関であるピュー・リサーチ・センターが同様の調査結果を公表しており、そちらも話題になった。ピュー・リサーチ・センターによると、今や米国成人の3分の1がスマートフォンやタブレット端末を使って週1回以上ニュースを読んでいる。
米国では22%の成人がタブレットを所有しており、この割合は1年前から倍増している。またスマートフォン所有者は44%に達し、タブレット、スマートフォンのいずれかを所有する成人の割合は50%になった。