北米報知 2012年9月27日40号

 広島原爆に被爆、白血病で12歳で亡くなった佐々木禎子さんをモデルにした平和の像「サダコ像」が破壊行為にあった。

左腕を切断されたサダコ像(写真=佐々木志峰)

 早い報道では、20日午前5時50分に地元テレビ局Q13がウェブサイトに腕を切断された銅像の写真と記事を掲載。翌日のシアトル・タイムズ紙の地元面1面などでも、破壊行為について報じた。腕は公園裏の茂みに放置されていた。

 シアトル公園局は20日にウェブサイト上で破壊行為を発表、状況の対応にあたり、シアトル市警の(206)625-5011まで市民の情報提供を求めている。

 シアトル平和公園は1998年に平和活動家の故フロイド・シュモーさんらの働きかけでワシントン大学近くに建設された。小さな公園の中心に地元彫刻家が製作した「サダコ像」を置き、核の恐ろしさや平和の大切さを訴え続けている。地元生徒も定期的に折鶴を掛けに訪れる。

 来月末にはシアトル日本人バプテスト教会の会員を中心とした使節団が広島を訪問。故シュモー氏や同教会の故エメリー・アンドリュース牧師らが建てた被爆者向けの施設「シュモーハウス」が、博物館として正式開館する記念行事に出席する。

 使節団のブルックス・アンドリュース牧師は「非常に残念なこと。もうこのような事件は起きてほしくない。修復へ向けて立ち上がってもらえる人があれば」と語る。

 日米の「新たな絆」として、地元平和活動家たちの60年前の慈善事業を振り返る前に起きた破壊行為に対し、関係者も落胆を隠せない。

 サダコ像は03年12月に右腕を切断され、地元平和活動家の故パンピアン美智子さんらによるファンド活動で翌夏に修復された。

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