昨日(日本時間17日午前)は米大統領選の第2回テレビ討論会を東京の自宅で「観戦」した。
多くのメディアは論戦の具体的内容よりも、討論会終了後のオバマ、ロムニー両候補への支持率の変化を報じていた。結果は予想通り、今回はオバマ候補が一応巻き返しに成功したというところか。
例によって、筆者の視点はちょっと違う。1976年のカーターvsフォード以来、大統領選観戦は今回が10回目、過去36年間の候補者討論会は全て見てきた。ソ連を除けば、民主・共和両候補がこれほど揃って特定の主要国を批判した討論会はちょっと記憶にない。
両候補の中国関連発言
論より証拠、まずは第2回討論会での両候補の中国関連主要発言を幾つか御紹介しておこう。今回両候補は90分間の討論会の中で、合計21回も「中国」に言及している。しかも、その内容は「中国株式会社」の貿易・通貨政策に対する厳しい批判ばかりだ。
【ロムニー候補】
中国が詐欺を働けば、自分はこれに厳しく対応する。
Cracking down on China when they cheat.
【オバマ候補】
ロムニー候補は中国に厳しいと言うが、彼は中国にアウトソースする米企業に投資したことがあり、現在も、中国国民をスパイする監視装置を中国のために製造する企業に投資している。ロムニー候補、貴方は決して中国には厳しくなれない。
When he talks about getting tough on China, keep in mind that Governor Romney invested in companies that were pioneers of outsourcing to China, and is currently investing in countries -- in companies that are building surveillance equipment for China to spy on its own folks. Governor, you’re the last person who is going to get tough on China.
【ロムニー候補】
貿易ではルール遵守が基本だが、中国はルールを守ってこなかった。中国は長年にわたる通貨操作国だ。オバマ大統領は中国を通貨操作国と認定する機会がありながら、これを拒否している。
…as we trade with other nations that they play by the rules, and China hasn't. China has been a currency manipulator for years and years and years. And the President has a regular opportunity to label them as a currency manipulator, but refuses to do so.