複数の海外メディアによると、米アップルは米アマゾン・ドットコムの検索事業子会社で最高経営責任者(CEO)を務めていた人物を引き抜いたようだ。
この人物はウィリアム・ステイサー氏といい、かつてはデータベース管理システム大手の米オラクルや、米グーグル登場前に人気を博していた検索サービス会社、米アルタビスタに籍を置いていた。
使い勝手の良いアマゾンのサイトを手がけた人物
米ウォールストリート・ジャーナルの技術系情報サイト、オールシングスDによると、アップルは同氏を音声アシスタント技術「シリ(Siri)」部門の責任者として迎え入れた。
また米フォーブスは、アップルから詳細説明はないが同社がステイサー氏を雇い入れたことを認めたと伝えている。
ステイサー氏が公開している経歴書(PDF書類)によると、同氏は2003年にアマゾンに入社し、同社のオンライン小売サイト用検索やナビゲーション技術を手がける部門のディレクターとなった。
2004年にアマゾンがこの事業を専門に行う子会社「A9.com」を設立した際、そこの技術部門副社長を務め、2006年にCEO兼社長に就任した。
こうした経歴を持つステイサー氏をなぜアップルが起用したかについては各メディアが様々に報じているが、それらをまとめると、主に3つの理由があるようだ。
1つは、アップルのシリ事業の幹部が相次いで会社を去ってしまったこと。もともとシリはアップル独自の技術ではない。アップルは2010年にシリを開発した同名の新興企業を買収し、モバイルソフトウエア部門に移管した後、技術をアイフォーン(iPhone)やアイパッド(iPad)のサービスに取り入れた。
ところがシリのCEOは昨年11月にアップルを去り、共同創業者の1人も今年6月に辞任した。こうしたことからアップルは同部門で優秀な人材を求めていた。