北米報知 2012年9月6日37号

 第二次世界大戦の欧州戦線に従軍し、フランス領内で戦った地元日系人元兵士4名にフランス政府から「レジオン・ドヌール勲章」が贈られた。1日に二世復員軍人会(NVC)記念会館で受章式が行われた。

フランス政府からの栄誉を受けた二世ベテランとあいさつに立つトム・コメタニさん。写真提供=キース・ヤマグチ

 受章者はフランク・ニシムラさん、ウィリアム・ヤスタケさん、フランク・ヤスダさん、ジミー・ヤマグチさん。ジャック・コーワン名誉領事が各受章者に勲章を贈った。「大変光栄に思います」とニシムラさんは勲章を胸に語った。

 日系人兵士は第442連隊戦闘団を主に、ブリュイエールの解放や、多くの犠牲を払った「失われた大隊」テキサス大隊救出作戦といった激しい戦闘をフランスで繰り広げた。

 ブリュイエールでは「第442連隊通り」の名称がつけられるなど、フランスにおいても日系人部隊への評価は高い。

 フランス政府はこれまでも当地の日系人元兵士に叙勲を行っており、今後も叙勲条件を満たした元兵士の調査を進めていく方針という。NVCによると、当地からは現在16名が勲章の申請下にある。

 NVCコマンダーのトム・コメタニさんはフランス政府の叙勲に謝意を示すとともに、90歳前後を迎えている二世元兵士たちの年齢を憂慮し、「なるべく多くに受章させてあげたい」と今後も同政府に働きかけていく意向を見せた。

 当日は併せて米国軍が同じく二世元兵士のベン・マツモトさんへブロンズスター勲章を贈った。また継続的に行っている日系人記念壁へのレンガの埋め込み作業も行われ、当日だけで100以上の日系人の名前が刻まれたレンガが埋め込まれた。

北米報知:本紙記事の無断転載を禁じます。JBpressでは北米報知の許可を得て転載しています)